塾の講師不足対策|採用・定着・授業設計・教材の4方向で打てる手

塾の講師不足対策|採用・定着・授業設計・教材の4方向で打てる手

塾の講師不足対策は、「採用・定着・授業設計・教材」の4方向で考えると、打てる手が増えます。採用で人を増やすだけでは、入った講師が半年で辞めれば元に戻ります。辞めにくくする、講師1人が見られる生徒を増やす、講師の作業を教材に任せる、という方向を組み合わせることで、少ない人数でも教室を回せるようになります。

この記事では、まず講師不足が起きる原因を整理し、4つの方向ごとに具体的な手を説明します。最後に、塾の規模別にどこから手をつけるかの目安をまとめます。

塾の講師不足はなぜ起きるか

塾の講師不足は、講師の入れ替わりが多いこと、働ける時間帯が限られること、講師に求められる役割が増えたことが重なって起きます。原因によって効く対策が違うので、自塾にどれが当てはまるかを先に確かめます。

学生講師は毎年入れ替わる

個別指導の塾では、大学生の講師が中心になっていることが多くあります。学生講師は、卒業や就職活動、学年が上がって授業が増えることで、毎年一定の割合で辞めていきます。春に辞める講師を見込んで、前の年の秋から採用を始めておかないと、新年度に人が足りなくなります。

働ける時間帯が限られている

塾の授業は、平日の夕方から夜と、土日に集中します。1日に働ける時間が短く、ほかのアルバイトと比べて月の収入が少なくなりやすい仕事です。また、定期テスト前や講習の時期に仕事が集中し、それ以外の時期は少なくなります。

講師に求められる役割が増えた

授業に加えて、保護者への報告、学習計画の作成、進路の相談、オンラインでの連絡など、講師に求められる役割は増えています。授業以外の作業が多いと、講師の負担が増え、続けにくくなります。

対策は4つの方向で考える

講師不足への対策は、人を増やす「採用」、人を減らさない「定着」、少ない人数で回す「授業設計」と「教材」の4つの方向に分けられます。効果が出るまでの期間とかかる費用が違うので、組み合わせて使います。

塾の講師不足対策を採用・定着・授業設計・教材の4方向に分け、それぞれの主な手を示した図
講師不足対策の4つの方向
方向主な手効果が出るまで主な費用
採用募集文の見直し、募集の時期と経路、紹介1〜3か月求人広告費、紹介のお礼
定着労働時間の管理、シフトの柔軟さ、研修とフォロー3〜6か月人件費の見直し
授業設計1対2・1対3の組み合わせ、自立学習の時間1学期〜座席・時間割の組み直し
教材丸つけ・解説・宿題を教材に任せる1〜2か月教材の利用料

採用は効果が早く出る一方、毎年続けなければなりません。定着・授業設計・教材は効果が出るまで時間がかかりますが、一度整えれば毎年の採用の負担が軽くなります。

採用:応募を増やす

採用で応募を増やすには、募集文に講師が知りたいことを書くこと、募集の時期と経路を選ぶこと、面接の段階で仕事の中身を見せることの3つが効きます。

募集文に講師が知りたいことを書く

応募する学生が知りたいのは、時給だけではありません。次の項目を具体的に書くと、応募の段階で不安が減ります。

  • 1回の勤務時間と、週に何回から働けるか
  • 授業以外の作業(準備・報告書など)の時間と、その分の給与の扱い
  • テスト前や講習の時期の勤務の増え方
  • 研修の内容と期間、研修中の給与
  • 担当する学年と教科、1回に見る生徒の人数

とくに授業以外の作業の扱いは、学生が働く前に気にする点です。はっきり書いておくと、それだけで他の塾との違いになります。

募集の時期と経路を選ぶ

学生講師の採用は、春の新年度に向けた秋〜冬と、夏期講習に向けた春〜初夏に集中させると効率的です。経路は、塾の規模と予算に合わせて組み合わせます。

経路向いている塾特徴
求人サイト・求人広告毎年まとまった人数を採る塾応募は集まりやすいが費用がかかる
大学の求人掲示・学生課近くに大学がある塾費用が小さい。掲載のルールは大学ごとに違う
在籍講師からの紹介講師の定着がよい塾職場の雰囲気が伝わった状態で応募が来る
卒塾生への声かけ長く続いている塾塾の指導を知っている人が講師になる
自塾のホームページ・SNS情報発信をしている塾塾の雰囲気が伝わる。単独では応募が少ない

面接と体験授業で仕事の中身を見せる

面接では、実際の教室と教材を見せ、授業以外の作業も含めて1日の流れを説明します。可能なら、ベテラン講師の授業を15分ほど見学してもらいます。入ってから「思っていた仕事と違った」と辞めるのを防げます。

定着:辞めにくくする

講師の定着には、授業以外の時間も含めて正しく給与を払うこと、シフトの融通を利かせること、最初の1か月に手厚くフォローすることの3つが基本です。

授業以外の作業も労働時間として扱う

授業の準備、授業後の報告書の作成、生徒からの質問への対応などは、労働時間として扱う必要があります。厚生労働省と文部科学省は、学習塾の業界団体に対し、授業以外に行う質問対応や報告書の作成などに要した時間も労働時間として適正に把握し、賃金を支払うよう要請しています。

授業の時間だけに給与を払う「コマ給」の形をとっている場合は、授業以外の作業時間をどう把握し、どう払うかを見直します。給与の見直しは費用が増えますが、講師が辞めて採用をやり直す費用と比べて判断します。最低賃金は毎年改定されるので、時給の設定も年に1回は確認してください。

出典:厚生労働省・文部科学省「学生アルバイトの労働条件の確保について(要請)」(平成27年・学習塾業界の団体あて)、厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」。最新の内容は公式でご確認ください。

シフトに融通を利かせる

学生講師が辞める理由には、大学の授業や試験、就職活動との両立が難しくなることがあります。試験期間の休み、週1回からの勤務、オンラインでの授業など、続けやすい選択肢を用意しておきます。担当の生徒を2人の講師で持つ形にしておくと、1人が休んでも授業が止まりません。

最初の1か月を手厚くする

辞める講師は、最初の1〜2か月で辞めることが多いものです。最初の1か月は、ベテラン講師の授業の見学、担当する単元の教え方の確認、授業後の短い振り返りを続けます。困ったときに誰に聞けばよいかを決めておくだけでも、続けやすさが変わります。

授業設計:講師1人が見られる生徒を増やす

授業設計を見直すと、講師の人数が同じでも、見られる生徒の数を増やせます。指導の質を落とさずに、講師が「説明する時間」と「見守る時間」を分けるのがポイントです。

1対2・1対3の組み合わせを見直す

個別指導の1対1は手厚い反面、講師の人数がそのまま必要になります。1対2や1対3にし、1人に説明している間、ほかの生徒は演習する形にすると、講師1人あたりの生徒数を増やせます。学年や単元が近い生徒を組み合わせると、講師の負担も小さくなります。

授業に自立学習の時間を入れる

授業の一部を、生徒が自分で演習する時間にします。たとえば80分の授業なら、最初の20分は前回の復習の演習、次の40分は講師の説明と演習、最後の20分は確認テスト、というように分けます。自立学習の時間は、講師が複数の生徒を見回る形にできます。

塾長の時間を授業以外に回す

小規模塾では、塾長自身が授業の多くを担っていることがあります。塾長が授業を持ちすぎると、講師の採用や研修、保護者面談に時間を使えません。塾長が担当する授業を少し減らし、講師の育成に時間を回すほうが、長い目で見て講師不足を防げます。

教材:講師の作業を減らす

講師の作業のうち、丸つけ、解説、宿題の作成と確認は、教材に任せやすい部分です。教材に任せた分の時間を、講師は質問対応と声かけに使えます。

丸つけと解説を教材に任せる

演習の丸つけと解説は、講師の時間を多く使います。デジタル教材なら、解いたその場で正誤が分かり、解説も表示されます。講師は、間違いが続いている生徒にだけ声をかければよくなります。

宿題の作成と確認を減らす

宿題を毎回プリントで作り、次の授業で回収して確認するのは手間がかかります。デジタル教材で宿題を出せば、作成と回収の手間が減り、授業の前に誰がどこまで解いたかを確認できます。宿題の運用の詳しい考え方は、塾向けの教材のOEMを説明した「塾向け教材のOEMとは?」でも触れています。

教材をそろえて研修を短くする

講師ごとに違う教材やプリントを使っていると、新しい講師が覚えることが増えます。学年ごとに使う教材をそろえ、単元ごとの教え方のポイントを1枚にまとめておくと、研修の期間を短くできます。自作の教材を増やす場合は、作る手間とのバランスを考えて、自塾の強みが出る部分に絞ります。

塾の規模別の優先順位

どの方向から手をつけるかは、塾の規模で変わります。今の規模と、1〜2年後に目指す規模の両方で考えてください。

規模まず取り組む方向次に取り組む方向理由
塾長1人+講師1〜2人教材授業設計採用の余力が小さく、作業を減らすほうが早い
講師3〜10人定着採用・教材入れ替わりを減らすと採用の負担が下がる
講師10人以上・複数教室採用定着・授業設計毎年の採用を仕組みにし、研修をそろえる

講師が少ない塾ほど、1人が辞めたときの影響が大きくなります。採用に頼りきらず、教材と授業設計で「1人いなくても回る」形を作っておくことが、もっとも確実な講師不足対策になります。

LINEで使える中学数学の演習教材

マナモンは、株式会社THREE D PLUSが運営する、LINEで使う中学生の学習アプリです。生徒が自分で解いて答え合わせまでできるので、演習の部分を生徒の自習に回しやすくなります。

  • 同じ単元でも数字が毎回変わる問題なので、類題のプリントを作る手間がかかりません
  • 途中式を飛ばさない解説を1ステップずつ表示するので、解説を教材に任せられます
  • LINEで友だち追加するだけで使えるので、アプリのインストールや端末の配布が要りません
  • 対象は中学数学の中1〜中3の全範囲で、現役の塾講師が作問しています

生徒一人ひとりが自分のLINEで使うアプリなので、塾で使う場合は、宿題や自習の教材の一つとして生徒にすすめる形になります。

よくある質問

講師の募集を出しても応募が来ません。まず何を見直せばいいですか

募集文に、1回の勤務時間、授業以外の作業の扱い、研修の内容を書いているかを確認してください。時給の高さだけで比べられると、規模の大きな塾には勝ちにくくなります。勤務の条件を具体的に書くことで、応募の段階の不安を減らせます。

授業の準備時間にも給与を払う必要がありますか

授業の準備や報告書の作成などが業務として行われている場合、労働時間として扱う必要があります。厚生労働省も学習塾業界に対して適正な把握を要請しています。具体的な扱いは、社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

学生講師を辞めにくくするにはどうすればいいですか

試験期間の休みや週1回からの勤務など、学業と両立しやすい働き方を用意します。最初の1か月の研修とフォローも効果があります。担当の生徒を2人で持つ形にすると、休みも取りやすくなります。

1対1から1対2にすると、保護者から不満が出ませんか

説明の時間と演習の時間を分け、講師がどう見ているかを伝えれば、理解されることが多いです。授業の流れを保護者に説明し、面談で生徒の様子を具体的に話すことが大切です。

デジタル教材を入れると講師はいらなくなりますか

いらなくなることはありません。丸つけや解説は教材に任せられますが、質問への対応、声かけ、学習計画の見直しは講師の仕事として残ります。講師の時間の使い方を変えるものと考えてください。

塾長1人の塾でも講師不足対策は必要ですか

必要です。塾長が体調を崩したときや、生徒が増えたときに対応できるよう、教材と授業設計で塾長の作業を減らしておくと、講師を1人採用したときにも教室を回しやすくなります。

塾・教室の方へ

マナモンは、LINEで動く中学数学の演習教材です。塾・教室での導入や、自塾の名前での提供(OEM)のご相談を受け付けています。しくみと導入までの流れをまとめた資料(4ページ)は、ご請求いただいた方にお送りしています。提供の形と料金は、お話を伺ってから個別にご案内します。

どちらもお問い合わせフォームから受け付けています。種類で「学校・塾・法人の方」を選び、お問い合わせ内容に「資料請求」または「相談」とお書きください。
メール:support@threedplus.co.jp(件名に「資料請求」とお書きください)
電話:050-8886-3060(平日 10:00〜18:00)
運営:株式会社THREE D PLUS

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