塾のIT導入補助金|2026年度はデジタル化・AI導入補助金に。枠と申請の流れ

塾のIT導入補助金|2026年度はデジタル化・AI導入補助金に。枠と申請の流れ

「IT導入補助金」は、令和7年度補正予算の事業から「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」に名称が変わりました。2026年度は「デジタル化・AI導入補助金2026」として実施されているので、旧名称で調べている塾長は、新しい名称で公式情報を探してください。学習塾も中小企業・小規模事業者の条件を満たせば対象になり、生徒管理や請求、会計などの業務に使うITツールの導入費用の一部が補助されます。

この記事では、中小企業庁の概要資料と事務局の公式サイトで確認できた範囲で、制度の概要、申請枠と補助率、塾で使える場面、申請の流れ、注意点を整理します。補助金の要件やスケジュールは年度や募集回で変わるため、申請の前には必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。

この記事の制度情報は、2026年10月2日時点で公式サイトに掲載されていた内容です。最新はデジタル化・AI導入補助金の公式サイトでご確認ください。

デジタル化・AI導入補助金の申請から実績報告までの流れを示した図
申請から補助金の受け取りまでの流れ

塾でIT導入補助金は使えるか

学習塾も、資本金または従業員数が中小企業・小規模事業者の条件にあてはまれば申請できます。個人事業主の塾も対象に含まれます。ただし、補助の対象になるのは事務局に登録されたITツールだけなので、使いたいツールが登録されているかを最初に確かめる必要があります。

制度名は「デジタル化・AI導入補助金」に

中小企業庁の概要資料では、令和7年度補正予算事業から「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」と名称を変更したと書かれています。中小企業庁の情報サイト「ミラサポplus」でも同じ説明があります。制度の基本的な仕組みや補助対象は、これまでのIT導入補助金と大きく変わるものではないとされています。

事務局の公式サイトでは、正式な事業名を「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」(旧:IT導入補助金)としています。

出典:中小企業庁「『デジタル化・AI導入補助金2026』の概要」(令和8年4月)、ミラサポplus「中小企業庁担当者に聞く 業務改善につながるITツールの導入を支援『デジタル化・AI導入補助金』」、デジタル化・AI導入補助金 公式サイト

塾が対象になる会社の規模

申請できるのは、資本金か従業員数のどちらかが次の基準以下の事業者です。塾の業種区分は、公式サイトの「申請対象者チェッカー」と公募要領で確かめてください。

区分資本金常時使用する従業員
中小企業(サービス業。ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く)5,000万円以下100人以下
小規模事業者(商業・サービス業。宿泊業・娯楽業を除く)―5人以下

出典:デジタル化・AI導入補助金「申請の対象となる方」。常時使用する従業員の数え方なども公式ページでご確認ください。

2026年度の申請枠と補助率

デジタル化・AI導入補助金2026には、目的に応じて5つの申請枠があります。塾が検討しやすいのは、通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型)、セキュリティ対策推進枠の3つです。

申請枠主な目的補助率補助額
通常枠業務のデジタル化のためのソフトウェア導入1/2以内(条件を満たすと2/3以内)1プロセス以上:5万円以上150万円未満/4プロセス以上:150万円以上450万円以下
インボイス枠(インボイス対応類型)インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト、PC等の導入ソフトは中小企業3/4以内・小規模事業者4/5以内などソフトは350万円以下など
インボイス枠(電子取引類型)発注者が受発注システムを取引先と共有し、インボイス対応を進める中小企業2/3・大企業1/2350万円まで
セキュリティ対策推進枠サイバーセキュリティ対策のサービス導入中小企業1/2以内・小規模事業者2/3以内5万円〜150万円
複数者連携デジタル化・AI導入枠商店街など10者以上の事業者が連携してITツール等を導入経費の区分ごとに1/2〜4/5、2/3など合わせて3,000万円まで(事務費・専門家費は別に200万円)

出典:中小企業庁「『デジタル化・AI導入補助金2026』の概要」(令和8年4月)、デジタル化・AI導入補助金「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」「セキュリティ対策推進枠」(2026年10月2日時点)。詳しい条件は各枠の公募要領でご確認ください。

通常枠

自塾の課題に合ったソフトウェアを導入する費用の一部を補助する枠です。補助の対象は、ソフトウェア購入費とクラウド利用料(最大2年分)が必須で、機能拡張やデータ連携ツール、セキュリティなどのオプション、導入設定・マニュアル作成・導入研修・保守サポートなどの役務も含められます。

対象になるソフトウェアは、「顧客対応・販売支援」「決済・債権債務・資金回収管理」「会計・財務・経営」「総務・人事・給与・教育訓練・法務・情シス・統合業務」などの業務プロセスか、業種特化型のプロセスを1つ以上持つものです。汎用・自動化・分析ツールだけの申請はできません。

補助額は、ITツールのプロセス数が1〜3つなら5万円〜150万円未満、4つ以上なら150万円〜450万円以下です。4つ以上の場合は、1人あたり給与支給総額の増加などを含む賃金引上げ計画を立てて従業員に表明していることが必要とされています。

補助率は原則1/2以内です。中小企業庁の資料と公式サイトでは、令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合は2/3以内とされています。

インボイス枠(インボイス対応類型)

インボイス制度に対応した会計・受発注・決済の機能を持つソフトウェアと、PC・タブレットなどのハードウェアを導入する枠です。ソフトウェアの補助率は、補助額50万円以下の部分が中小企業3/4以内・小規模事業者4/5以内、50万円を超える部分が2/3以内です。

PC・タブレット等は補助率1/2以内・補助額10万円以下、レジ・券売機等は補助率1/2以内・補助額20万円以下です。ハードウェアだけの申請はできず、ソフトウェアの使用に役立つものであることが条件です。

セキュリティ対策推進枠

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載され、事務局に登録されたサービスの利用料(最大2年分)を補助する枠です。生徒や保護者の個人情報を扱う塾にとって、検討しやすい枠のひとつです。

塾で使える場面

塾の業務のうち、生徒の管理、月謝の請求、会計、セキュリティ対策などが補助の対象になりうる場面です。ただし、対象になるかどうかは、導入したいツールが事務局に登録されているかで決まります。

塾の業務導入するツールの例検討する枠
入退室・出欠・生徒情報の管理塾・教室向けの管理システム通常枠
月謝の請求・口座振替・入金管理請求・決済の機能を持つシステム通常枠、インボイス枠
会計・経理インボイス制度に対応した会計ソフトインボイス枠
講師の勤怠・給与計算勤怠管理・給与計算のソフト通常枠
個人情報の保護サイバーセキュリティお助け隊サービスセキュリティ対策推進枠

対象になるかを確かめる方法

公式サイトの「ITツール検索」で、導入したいツールが登録されているかを調べられます。登録されていれば、そのツールを扱うIT導入支援事業者に、補助金を使った導入ができるかを相談します。ツールの販売会社がIT導入支援事業者として登録していることも多くあります。

対象にならない例に注意する

事務局に登録されていないツールは、どれだけ業務に役立っても補助の対象になりません。また、通常枠では汎用ツールだけの申請はできず、インボイス枠でもハードウェアだけの申請はできません。生徒に貸し出す端末や、授業で使う教材が対象になるかどうかは、各枠の要件とツールの登録内容によるため、IT導入支援事業者と事務局の公募要領で確認してください。

申請から受け取りまでの7ステップ

申請は、塾とIT導入支援事業者が一緒に進めます。公式サイトで示されている手続きの流れを、7つのステップにまとめます。

ステップ1 公募要領を読む

まず公式サイトと、申請する枠の公募要領を読みます。公募要領は募集の途中で更新されることがあるので、更新日も確認しておきます。

ステップ2 GビズIDプライムを取得し、SECURITY ACTIONを宣言する

すべての申請枠で、GビズIDプライムの取得と、IPAの「SECURITY ACTION」の宣言(一つ星または二つ星)が申請の要件です。公式サイトでは、GビズIDプライムの発行までにおおむね2週間、SECURITY ACTIONの宣言済みアカウントIDの発行までにおおむね2〜3日かかるとされています。締切から逆算して、早めに手続きを始めます。

出典:デジタル化・AI導入補助金「申請を行う前に必要な手続き」

ステップ3 IT導入支援事業者とITツールを選ぶ

自塾の課題に合うITツールと、それを扱うIT導入支援事業者を選びます。補助金の申請は、事務局に登録されたIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで行う必要があります。

ステップ4 交付申請をする

IT導入支援事業者から「申請マイページ」への招待を受け、塾の基本情報を入力し、必要な書類を添付します。IT導入支援事業者が導入するツールの情報と事業計画の数値を入力し、内容を確認したうえで、塾が事務局に提出します。

ステップ5 交付決定を受けてから契約・支払いをする

審査が終わると、交付決定の通知が届きます。ITツールの発注・契約・支払いは、交付決定を受けた後に行います。交付決定の前に発注・契約・支払いをした場合は、補助金を受けられません。

ステップ6 事業実績報告をする

ツールの導入と支払いが終わったら、発注・契約・納品・支払いが分かる証憑を、申請マイページから提出します。実績報告までに、すべてのツールの利用を始めている必要があります。補助金の額が確定したら、申請マイページで内容を確認して承認します。

ステップ7 事業実施効果報告をする

補助金を受け取った後も、決められた期限に、導入の効果を報告します。賃上げの目標が要件になっている枠では、目標を達成できなかった場合などに、補助金の全部または一部の返還を求められることがあります。

出典:デジタル化・AI導入補助金「新規申請・手続きフロー詳細」「交付決定後に必要な手続き」

申請スケジュール

交付申請の受付は2026年3月30日に始まり、締切が複数回に分けて設定されています。2026年10月2日時点で公式サイトに掲載されていた直近の締切は次のとおりです。

項目日程(通常枠・6次締切分)
締切日2026年10月30日(金)17:00
交付決定日2026年12月10日(木)(予定)
事業実施期間交付決定〜2027年5月31日(月)17:00(予定)
事業実績報告期限2027年5月31日(月)17:00(予定)

公式サイトでは、確定している募集回のスケジュールだけを公表し、以降のスケジュールは随時更新するとしています。この記事を読んでいる時点では締切が変わっている可能性が高いので、必ず「事業スケジュール」で最新の日程を確認してください。締切日の17時を過ぎると申請できず、締切の直前はシステムが混み合うと案内されています。

審査で加点される取り組み

審査では、決められた取り組みを行っていると加点されます。公式サイトに掲載されている主な加点項目は次のとおりです(枠によって対象が違います)。

  • クラウドのITツールを選ぶ(通常枠)
  • インボイス対応のITツールを選ぶ(通常枠)
  • 賃上げの事業計画を立てて従業員に表明する
  • 中小機構の「IT戦略ナビwith」を交付申請の前に行う
  • 中小企業庁の「成長加速マッチングサービス」に登録する
  • 中小機構の「省力化ナビ」を活用する
  • 「健康経営優良法人2026」、くるみん・えるぼしの認定を受けている
  • 「デジタル化セカンドオピニオン」を行う(通常枠)

賃上げの計画を表明したと申告しながら、実際には表明していなかったことが分かった場合は、交付決定が取り消されると明記されています。加点を狙う場合も、実際に取り組めるものを選んでください。

出典:デジタル化・AI導入補助金「申請を行う前に必要な手続き」(加点に必要な手続き)

申請で注意すること

補助金で失敗しやすいのは、順番と期限の思い違いです。次の3点は特に注意してください。

交付決定の前に契約しない

いちばん多い失敗は、交付決定の前にツールを契約・支払いしてしまうことです。新年度に向けて急いで導入したい場合も、交付決定日から逆算して計画を立てます。導入を急ぐなら、補助金を使わずに導入する選択肢と比べて判断します。

導入後もツールを使い続ける

補助金で導入したツールを解約・利用停止した場合は、辞退の手続きが必要になると案内されています。補助の対象になるクラウド利用料は最大2年分なので、3年目以降の費用も含めて、使い続けられるかを考えてから申請します。

補助金ありきでツールを選ばない

補助率が高くても、自塾の業務に合わないツールを導入すると、塾の負担が増えるだけです。まず解決したい業務の課題を決め、その課題に合うツールが登録されているかを調べる順番にします。

よくある質問

個人事業主の塾でも申請できますか

申請できます。公式サイトの対象者の説明では、個人事業を含むとされています。GビズIDプライムの取得とSECURITY ACTIONの宣言は、個人事業主でも必要です。

補助金はいつ受け取れますか

ツールの導入と支払いを終え、事業実績報告を出し、補助金の額が確定して承認した後に交付されます。導入の費用はいったん塾が全額を支払う必要があるので、資金繰りを確認しておきます。

塾の管理システムは対象になりますか

事務局に登録されているツールであれば、対象になる可能性があります。公式サイトの「ITツール検索」で、使いたいシステムが登録されているかを確かめ、販売会社に補助金を使えるかを問い合わせてください。

申請は自分だけでできますか

できません。事務局に登録されたIT導入支援事業者と一緒に申請します。申請マイページへの招待もIT導入支援事業者から届きます。

どこに問い合わせればよいですか

制度については、デジタル化・AI導入補助金のコールセンター(0570-666-376、IP電話等からは050-3133-3272。受付は平日9時30分〜17時30分)が窓口です。ツールについては、IT導入支援事業者に相談します。最新の受付時間は公式サイトでご確認ください。

マナモンについて

マナモンは、株式会社THREE D PLUSが運営する、LINEで使う中学生の学習アプリです。生徒が自分のスマートフォンのLINEから、中1〜中3の数学の問題を単元ごとに解いて自習できます。問題の数字は毎回変わり、答えと解説もその場で確かめられます。

塾・教室向けの導入プランはありません。塾で使う場合も、生徒一人ひとりが自分のLINEで友だち追加して使う形です。

塾のIT導入補助金|2026年度はデジタル化・AI導入補助金に。枠と申請の流れ
最新情報をチェックしよう!