中学数学の問題集は種類が多く、レベルの合わない1冊を選ぶと途中で手が止まってしまいます。この記事では、今のレベルの確かめ方、レベル別・目的別の早見表、おすすめの問題集7冊、そして1冊を3周して仕上げる具体的な使い方をまとめました。読み終えたら、自分が買うべき1冊と、明日からの進め方が決まるはずです。
まずは今の自分のレベルを確かめよう
問題集選びでいちばん多い失敗は「レベルが合っていない」ことです。難しすぎると解けない問題が続いて挫折し、易しすぎると時間をかけても力が伸びません。目安は「初めて解いて6〜7割くらい正解できる」レベルです。全部解けるなら易しすぎ、半分も解けないなら難しすぎると考えてください。
いちばん手軽な目安は、直近の定期テストの点数です。下の表で、自分がどこから始めればよいかを確認しましょう。
| 直近の定期テスト | 始めるレベル | この段階の目標 |
|---|---|---|
| 40点以下 | 基礎(教科書の内容を理解する) | 教科書の例題を、解説を見ずに解ける |
| 40〜70点 | 標準(解き方のパターンを身につける) | 定期テストで70〜80点を安定して取る |
| 70点以上 | 応用・入試(初見の問題に対応する) | 入試問題で安定して得点する |
点数だけで迷うときは、書店で実際に問題集を開いて確かめるのが確実です。自分の苦手な単元のページを開き、解説を読んで理解できるか、問題を3〜5問解いて7割ほど正解できるかを見てください。解説を読んでも「なぜそうなるのか」が分からなければ、その本はまだ早いというサインです。
レベル別・目的別の早見表
「どのレベルか」と「何のために使うか」の2つが決まれば、選ぶ本はかなり絞れます。下の表は、この記事で紹介する7冊を、レベルと目的の組み合わせで整理したものです。
| レベル | 定期テスト対策 | 高校受験対策 | 前の学年の復習 |
|---|---|---|---|
| 基礎 | くわしい数学(文英堂) | 中学数学をひとつひとつわかりやすく(学研)で土台づくり | 中学数学をひとつひとつわかりやすく(学研)/中学数学の近道問題(英俊社) |
| 基礎〜標準 | 標準問題集 数学(受験研究社) | 標準問題集 数学(受験研究社) | 中学数学の近道問題(英俊社)で苦手単元だけ |
| 標準 | チャート式中学数学(数研出版) | チャート式中学数学(数研出版)で入試範囲を一通り | チャート式中学数学(数研出版)の例題 |
| 応用・入試 | ― | 全国高校入試問題正解(旺文社)/最高水準問題集(文英堂) | ― |
表を見ても迷うときは、次の順に考えると決めやすくなります。
- 教科書の例題を解説なしで解けるか。解けないなら、基礎の本から始める
- 苦手なのは一部の単元だけか、全体か。一部だけなら単元別の本、全体なら学年別の本を選ぶ
- 定期テストで70点を安定して取れているか。取れていないなら標準、取れているなら応用・入試へ進む
- 中3で受験が近いか。近いなら、標準の本を仕上げてから入試問題集に移る
中学数学の問題集おすすめ7選
ここからは、基礎から入試まで順に7冊を紹介します。同じ本でも改訂で構成が変わることがあるので、購入前に書店で中身を確かめてください。
1. 中学数学をひとつひとつわかりやすく(学研)|基礎
イラストと大きめの文字で、概念を基礎からていねいに説明している本です。解説を読んだあとに書き込み式の問題で手を動かせるので、「教科書を読んでも分からない」という段階から始められます。中1・中2・中3の学年別に分かれているため、つまずいた学年の分だけ用意できるのも使いやすい点です。シリーズの詳しい使い方は学研「中学数学をひとつひとつわかりやすく」シリーズ完全ガイドにまとめています。
2. くわしい数学(文英堂)|基礎・定期テスト
教科書の内容に沿って、解説と問題が順序よく並んでいる1冊です。学校の授業の進み方と合わせやすく、定期テストの範囲を確実に押さえたい人に向いています。解説が細かいので、授業で分からなかったところを自分で読み直す使い方もできます。
3. 標準問題集 数学(受験研究社)|基礎〜標準
基礎の問題から標準の問題へ、段階的に難しくなっていく構成です。基礎の本を終えたものの、いきなり入試向けの本に進むのは不安という人の「つなぎ」として使えます。
4. 中学数学の近道問題(英俊社)|苦手単元の集中練習
単元ごとに薄い冊子に分かれているのが特徴です。「関数だけ」「図形の証明だけ」のように、苦手な単元だけを選んで集中的に練習できます。全体を1冊で通すのがつらい人や、前の学年の一部だけ穴がある人に向いています。
5. チャート式中学数学(数研出版)|標準・定期テスト
例題で解き方を学び、すぐに類題で試す構成をくり返す定番の1冊です。解き方のパターンが体系的に整理されているので、授業にはついていけていて、定期テストで高得点を狙いたい人に合います。問題量が多いので、最初は例題だけを1周するのも一つの方法です。
6. 全国高校入試問題正解(旺文社)|入試の実戦演習
全国の高校入試の問題を収録した問題集です。本番と同じ形式の問題を解くことで、出題の傾向や難しさ、時間配分をつかめます。取り組むのは標準レベルの本を仕上げたあと、中3の夏休み以降が目安です。あわせて、志望校がある都道府県の公立高校入試の過去問にも、何年分か取り組んでおくと安心です。
7. 最高水準問題集(文英堂)|応用・難関校
難関の私立・国立高校を目指す人向けの、思考力が問われる問題が多い問題集です。同じ文英堂でも「くわしい数学」とは難しさが大きく違うので、シリーズ名をよく確認して選んでください。難関校向けの問題集をもっと比べたい人は、中学数学ハイレベル問題集おすすめ7選で詳しく紹介しています。
失敗しない選び方のチェックポイント
候補が決まったら、買う前に次の4点を確認しましょう。1つでも当てはまらないなら、別の本も見比べてみてください。
- 解説に「なぜそうなるか」が書かれているか:答えだけの本は、自分で詰まったときに先へ進めません
- 「例題→類題」の順に並んでいるか:例題で学んですぐに試せる構成のほうが、身につくのが早くなります
- 最後まで終えられる分量か:分厚い本は途中で止まりやすいので、最初は薄めの1冊から始めます。「1日に何問進めれば何日で終わるか」を買う前に計算しておくと安心です
- 対象のレベルや目的が書かれているか:「定期テスト対策」なら標準、「入試対策」「難関校」なら応用の目安になります
もう一つ大事なのは、何冊も並行して使わないことです。いろいろな本を少しずつやるより、1冊を最後まで仕上げたほうが確実に力がつきます。
問題集の使い方|1周目・2周目・3周目
問題集は「解いて丸付けをしたら終わり」では力がつきません。同じ1冊を3周して、全部の問題を解ける状態にすることが目標です。まず、問題番号の横につける印のルールを決めておきましょう。
| 印 | 意味 | 次にすること |
|---|---|---|
| ○ | 自力で正解できた | 次の周では解かなくてよい |
| △ | 解説を読めば分かった | 翌日と1週間後に解き直す |
| × | 解説を読んでも分からなかった | 教科書や参考書で単元を確認してから解き直す |
1周目:全部の問題に挑戦して印をつける
1周目は、最初のページから順にすべての問題に挑戦します。いきなり練習問題を解くのではなく、例題を読んで解き方を理解し、類題を1問解いて丸付けをする、という小さなサイクルで進めましょう。間違えた問題は解説を読み、「どこで考えが止まったか」を確認してから印をつけます。1問に10分以上悩んだら、解説を読んで次に進んでかまいません。
2周目:△と×の問題だけを解き直す
2周目は、印のついた問題だけに取り組みます。間違えた翌日にまず1回解き直し、さらに1週間後にもう一度解きます。同じ日に解き直すと、答えを覚えているだけで解けてしまうので、日を空けるのがポイントです。解説を見ずに正解できたら、△を○に変えましょう。
3周目:残った問題を仕上げ、時間を計って解く
3周目は、2周目でも解けなかった問題を中心に仕上げます。このころには解き方が身についているので、時間を計って解く練習も入れましょう。1問にかかる時間を意識しておくと、テスト本番の時間配分に役立ちます。全部の問題が○になったら、その問題集は完成です。初めて解いて7割以上できる状態になっていれば、1つ上のレベルの本へ進むタイミングです。
目的別の進め方(定期テスト・受験・復習)
定期テスト対策:まず学校のワーク、次に市販の問題集
定期テストは授業の内容から出るので、最優先は学校のワークです。ワークを終えてから、市販の問題集で同じ範囲の問題を補いましょう。テスト2週間前からなら、次のような進め方が目安です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 2週間前〜10日前 | 学校のワークをテスト範囲すべて1周する |
| 10日前〜5日前 | 市販の問題集で同じ範囲を解き、△と×に印をつける |
| 5日前〜前日 | ワークと問題集の△・×だけを解き直す |
高校受験対策:基礎→標準→入試の順に1冊ずつ
難関校を目指す場合でも、基礎の本、標準の本、入試問題集の順に1冊ずつ仕上げるのが近道です。中3の夏休みまでに標準レベルの1冊を終え、夏以降に「全国高校入試問題正解」や志望校の過去問に進む流れが目安になります。中3では二次方程式、関数y=ax²、相似、三平方の定理など入試でよく出る単元を習うので、学校の進度に合わせて、習った単元から入試問題に触れていきましょう。
前の学年の復習:つまずいた単元までさかのぼる
数学は前の学年の内容を使って次の単元を学ぶ教科です。たとえば中2の連立方程式でつまずく人は、中1の方程式があやしいことがよくあります。テストで間違えた問題を見直し、つまずきの元になっている単元を特定したら、その学年の基礎の本か、単元別の「近道問題」で集中して練習しましょう。新しい単元の勉強と並行するときは、毎日の学習時間の2〜3割を復習にあてるくらいがちょうどよい配分です。
学校のワーク・無料教材との組み合わせ
問題集の解説を読んでも分からないときは、映像の解説を見ると理解しやすくなることがあります。Khan Academy(カーン・アカデミー)は単元ごとの練習問題とヒントが使えるサイト、NHK for School や eBoard(イーボード)は中学数学の解説動画が見られるサイトです。どれも無料で使えるので、問題集の補助として活用しましょう。
印刷して使える練習問題がほしいときは、マナモンが配布している中学数学プリントまとめも使えます。中1〜中3の全21章を、解答・解説つきのPDFで用意しています。問題集の前に教科書レベルの理解を深めたい人は、中学数学の参考書おすすめ7選も参考にしてください。
よくある質問
問題集は何冊買えばいいですか?
最初は1冊で十分です。その1冊を3周して完成させてから、次のレベルの本を1冊追加します。定期テストで平均点以上を目指すなら、基礎か標準の1冊を完成させれば足ります。難関校を目指す場合は、基礎・標準・入試の3冊を順番に仕上げるのが目安です。
間違いが多すぎて、解き直しが追いつきません
問題集のレベルが今の実力より高い可能性があります。半分以上間違えるようなら、1つ下のレベルの本に替えたほうが結果的に早く伸びます。「7割解ける」本がいちばん効率よく力をつけられるレベルです。
塾のテキストと市販の問題集、どちらを優先すべきですか?
塾に通っている場合は、塾のテキストを優先してください。授業と合わせて使うことで効果が出るように作られているからです。市販の問題集は、塾のテキストを解き終えて物足りないときの追加として使いましょう。
問題集を解いても点数が上がりません
解きっぱなしになっていないかを確認してください。間違えた問題を翌日と1週間後に解き直しているか、解説の「なぜそうなるか」を理解してから次に進んでいるかが大切です。問題の数をこなすより、「間違える→理解する→解き直す」のサイクルを守るほうが点数につながります。
まとめ|自分のレベルに合う1冊を選び、3周して仕上げる
中学数学の問題集は、テストの点数と書店での試し解きで今のレベルを確かめ、6〜7割解ける1冊を選ぶことから始まります。選んだら、印のルールを決めて3周し、全部の問題を解ける状態にしてから次のレベルへ進みましょう。難しい本を途中でやめるより、易しめの本を最後まで仕上げるほうが実力は確実に伸びます。
問題集とあわせて単元ごとの練習を増やしたいときは、マナモンも使えます。LINEで使う中学生向けの学習アプリで、単元を選んで問題を解き、答えと解説(途中の考え方の手順)をその場で確かめられます。

