中学数学の難しい問題に挑戦|難問を解く思考法と効果的な練習ステップ

中学数学の難しい問題に挑戦|難問を解く思考法と効果的な練習ステップ

「応用問題になると手が止まる」「問題集が難しすぎて全然解けない」と感じるのは、能力の問題ではなく、今の実力と問題のレベルの差や、考え方の手順を知らないことが原因の場合がほとんどです。この記事では、難しいと感じる理由の見分け方、難問を解く5つの思考法と実際の例題5問、解説を見るタイミングと解き直しの記録のつけ方を紹介します。

数学が難しいと感じる2つの理由

理由1 問題のレベルが今の実力より高い

初めて解いて半分以上が分からない問題集は、今の実力には難しすぎます。目安は「初見で7割ほど解ける」レベルです。解説を読んでも分からない問題が続くなら、1段易しい問題集に戻りましょう。レベルを下げるのは後退ではなく、解ける問題を増やすための正しい選択です。

理由2 前の学年・前の単元の基礎が抜けている

数学は積み上げ式なので、今の単元が難しく感じる原因が前の単元にあることがよくあります。つまずいた単元から、次の表の右側へさかのぼって確かめてください。

今つまずいている単元さかのぼって確かめる単元
因数分解・二次方程式(中3)乗法公式(中3)、文字式の計算(中1・中2)
一次関数(中2)比例・反比例と座標(中1)、一次方程式(中1)
連立方程式(中2)一次方程式と移項(中1)
確率(中2)もれなく数える方法(樹形図・表)、分数の約分
規則性の問題文字式の表し方(中1)

今は難問に挑戦する段階かを判断する

難問への挑戦が力になるのは、基礎が固まってからです。次の流れで、今の自分がやるべきことを決めましょう。

チェック当てはまる場合当てはまらない場合
教科書の例題レベルの問題を、時間内にほぼ自力で解ける次のチェックへ難問は後回し。その単元の基本問題を解き直す
問題集の標準問題の多くを解ける次のチェックへ標準問題を「解説を読む→閉じて再現」で仕上げる
標準問題で、解説なしで解き直せる問題が多い難問演習を始めてよい段階解き直しを優先する

難問の分野別の特徴

分野難問の特徴難しく感じる理由
関数の応用グラフと図形の組み合わせ、交点や面積複数の考え方を同時に使う
規則性・整数n番目を文字で表す、逆にnを求める具体から一般へ考える必要がある
確率条件のついた場合の数もれなく、重なりなく数えるのが難しい
方程式の文章題速さ・割合が混ざる、解の吟味式を立てる前の整理が必要
図形・空間図形補助線、三平方の定理との組み合わせ補助線の位置や立体のイメージがつかみにくい

難問を解く5つの思考法

  • 図や表に書き出す 分かっていることと求めるものを、図・表・線分図に書き込む
  • 具体的な数で試す n = 1、2、3 などを入れて、きまりの手がかりをつかむ
  • 結論から逆算する 「何が分かれば答えが出るか」を逆向きにたどる
  • 反対の場合を考える 求める場合が多すぎるときは、そうでない場合を数えて全体から引く
  • 使えそうな公式を全部書き出す 関係しそうな公式や性質を余白に並べ、組み合わせを探す

図形の問題では、補助線を1通り試してだめでも諦めず、平行線や対角線など別の引き方も試します。次の例題で、それぞれの思考法を実際に使ってみましょう。

例題で思考法を使ってみる

どれも図がなくても解ける問題です。まず15分を目安に自分で考え、そのあと手順と答えを確認してください。

例題1 確率(中2)反対の場合を考える

問題 大小2つのさいころを同時に投げるとき、出る目の積が偶数になる確率を求めなさい。

  1. 目の出方は全部で 6 × 6 = 36 通り
  2. 積が偶数になる場合は多いので、反対の「積が奇数になる場合」を数える
  3. 積が奇数になるのは、2つとも奇数(1、3、5)のときだけ。3 × 3 = 9 通り
  4. 積が偶数になるのは 36 – 9 = 27 通り
  5. 確率は 27/36 = 3/4

答え 3/4

6 × 6 の表をかいて偶数のマスに印をつけても、27個になることを確かめられます。確率の練習は確率の練習問題で身につける解き方でも詳しく紹介しています。

例題2 規則性(中1)具体的な数で試す

問題 マッチ棒で正方形を横一列につなげて作ります。正方形1個では4本、2個では7本、3個では10本使います。(1) 正方形を20個作るには何本必要ですか。(2) マッチ棒をちょうど100本使うと、正方形は何個できますか。

  1. 具体的な数を並べる。4、7、10 と、正方形が1個増えるごとに3本ずつ増えている
  2. 最初の1本に、正方形1個ごとに3本ずつ足すと考えると、n 個のときの本数は 3n + 1 本
  3. n = 1、2、3 を代入して 4、7、10 になることを確かめる
  4. (1) n = 20 を代入して 3 × 20 + 1 = 61
  5. (2) 3n + 1 = 100 を解いて 3n = 99、n = 33

答え (1) 61本 (2) 33個

式を作ったら、必ず小さい数で確かめるのがこつです。規則性の問題は規則性プリントでも練習できます。

例題3 連立方程式の文章題(中2)図に書き出す

問題 A町から14km離れたB町まで行きました。途中のC地点までは時速4kmで歩き、C地点からB町までは時速12kmで自転車に乗ったところ、全部で2時間かかりました。歩いた道のりと自転車に乗った道のりを求めなさい。

  1. 線分図をかき、A町からC地点を x km、C地点からB町を y km とする
  2. 道のりの式。x + y = 14
  3. 時間の式(時間 = 道のり ÷ 速さ)。x/4 + y/12 = 2
  4. 2つめの式の両辺に12をかけて 3x + y = 24
  5. 3x + y = 24 から x + y = 14 を引いて 2x = 10、x = 5、y = 9
  6. 確かめ。5 ÷ 4 = 1.25時間、9 ÷ 12 = 0.75時間で、合計2時間

答え 歩いた道のり5km、自転車に乗った道のり9km

例題4 二次方程式の文章題(中3)結論から逆算する

問題 連続する2つの正の整数があり、それぞれの2乗の和は113です。この2つの整数を求めなさい。

  1. 求めたいのは2つの整数。小さいほうが分かれば、大きいほうは +1 で決まる
  2. 小さいほうを x とすると、大きいほうは x + 1。x² + (x + 1)² = 113
  3. 展開して整理する。2x² + 2x + 1 = 113 より x² + x – 56 = 0
  4. 因数分解する。(x + 8)(x – 7) = 0 なので x = -8、7
  5. 問題は「正の整数」なので x = -8 は合わない。x = 7
  6. 確かめ。7² + 8² = 49 + 64 = 113

答え 7と8

方程式の解がそのまま答えになるとは限りません。問題の条件に合うかを確かめる「解の吟味」を忘れないようにしましょう。

例題5 一次関数と図形(中2)使えるものを書き出す

問題 2つの直線 y = 2x + 1 と y = -x + 7 があります。(1) 2つの直線の交点の座標を求めなさい。(2) 2つの直線と y 軸で囲まれた三角形の面積を求めなさい。ただし、座標の1目もりを1cmとします。

  1. 自分で座標をかき、2本の直線を引く。分かることを書き出す。y 軸との交点(切片)は (0, 1) と (0, 7)
  2. (1) 交点は2つの式を連立して求める。2x + 1 = -x + 7 より 3x = 6、x = 2。y = 2 × 2 + 1 = 5
  3. (2) y 軸上の辺を底辺と考える。底辺は 7 – 1 = 6
  4. 高さは交点から y 軸までの距離で、交点の x 座標の 2
  5. 面積は 6 × 2 ÷ 2 = 6

答え (1) (2, 5) (2) 6cm²

関数と図形が組み合わさった問題は、「どの辺を底辺にすると座標から長さが読めるか」を考えるのがポイントです。

難問演習の進め方と解説を見るタイミング

1問を仕上げる6つのステップ

ステップやること時間の目安
1問題を読み、図や表をかいて何を求めるかをはっきりさせる3分
2使えそうな公式や考え方を書き出す3分
3少なくとも2つの方向から解き方を試す5〜10分
4解けなければ、試したことを書き残してから解説を読む-
5解説を理解したら閉じて、白紙から再現する10分
6翌日、同じ問題を解説なしでもう一度解く10〜15分

レベル別の「粘る時間」

基礎〜標準の問題で長く悩むより、3〜5分考えて方針が立たなければ解説を読み、閉じて再現するほうが効率的です。粘って考えることに価値があるのは、基礎が固まったあとの応用問題や難問で、目安は15分です。15分たっても糸口がなければ、解説を読んで構いません。

試行の記録表をつける

難問は「解けたかどうか」より「何を試したか」を残すことで力になります。

日付問題試したこと足りなかった考え方翌日1週間後
10/5確率(積が偶数)偶数になる組を全部書こうとした反対の場合を数える○○
10/6二次方程式の文章題式は立てたが x = -8 も答えにした解の吟味○(未)
10/7関数と図形の面積x 軸側を底辺にしようとしたy 軸上の辺を底辺にする×(未)

「足りなかった考え方」の列を見返すと、自分が使い慣れていない思考法が分かります。同じ思考法を使う問題を探して練習しましょう。

高校入試での難問との付き合い方

全部解けなくてよい

高校入試では、大問の最後の1〜2問のような難問に時間を使いすぎるより、基本・標準問題を確実に取るほうが得点は安定します。志望校の過去問を見て、「どの問題まで解ければよいか」を先に決めておきましょう。

時期ごとの取り組み方

中1・中2のうちは、習った単元の標準問題を確実に解けるようにし、難問は単元の最後に1〜2問試す程度で十分です。中3になったら、入試でよく組み合わされる関数と図形、確率、規則性などの応用問題を少しずつ増やし、夏以降は過去問で出題の形に慣れていきます。どの時期も、解けなかった問題を翌日と1週間後に解き直すことが土台になります。

よくある質問

難問が解けなくて落ち込みます。どうすればよいですか?

難問は、最初は解けなくて当たり前です。目標は「解説を読んで理解し、後日自力で解けるようになること」です。解けなかった数ではなく、「解説を理解して再現できた数」を記録表で数えると、前向きに続けやすくなります。

問題集が難しすぎるとき、別の問題集に替えてもよいですか?

替えて構いません。初見で半分以上解けない問題集は、今の実力に合っていないサインです。1段易しい問題集で解ける問題を増やしてから、元の問題集に戻るほうが近道です。高いレベルを目指す段階の問題集選びはハイレベル問題集の選び方を参考にしてください。

思考法はどうやって身につければよいですか?

解説を読んだあとに「この問題ではどの思考法を使ったか」を一言で書く習慣をつけます。例題1なら「反対の場合を考える」、例題2なら「具体的な数で試す」です。名前をつけておくと、別の問題でも思い出して使えるようになります。

定期テストの前にも難問を練習したほうがよいですか?

定期テストの前は、範囲の基本・標準問題を時間内に確実に解けることを優先してください。そのうえで時間が残れば、教科書の章末にある発展的な問題を数問試す程度で十分です。標準問題で計算ミスが多い場合は、難問よりもミスの記録と解き直しが先です。基本の解き方と解き直しのやり方は中学数学の問題を効率よく解くコツにまとめています。

まとめ 難問は「試す・理解する・翌日再現する」で解けるようになる

難しいと感じたら、まず問題のレベルと前の単元の基礎を確かめます。基礎が固まっていれば、図に書き出す、具体的な数で試す、逆算する、反対の場合を考える、公式を書き出すという5つの思考法を使って難問に挑戦しましょう。解けなくても、試したことを記録し、解説を理解して翌日に再現できれば、それが確かな力になります。

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中学数学の難しい問題に挑戦|難問を解く思考法と効果的な練習ステップ
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