高校入試の面接では、正しい言葉遣いが合否を左右します。面接官は回答の内容だけでなく、「です・ます」調で話せているか、一人称は「わたし」に統一できているか、タメ口や若者言葉が出ていないかといった言葉遣い全体を通して、受験生の礼儀正しさや高校生活への準備度を評価しています。この記事では、高校入試の面接で好印象を与える正しい敬語の使い方、面接官・学校への呼びかけ方、中学生がやりがちなNGワードとその言い換え例、そして緊張したときに使える定型フレーズまで、今日から練習できる形で具体的に紹介します。
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高校入試の面接で言葉遣いが重視される理由
結論から言うと、言葉遣いは面接評価の中で回答内容と同じくらい重視される採点項目です。多くの公立高校では面接を点数化しており、都道府県や学校によって差はあるものの、面接点が合否判定全体の10〜20%程度を占めるケースも珍しくありません。面接官は「志望動機が的確か」といった内容面だけでなく、「です・ます」調で話せているか、一人称に「わたし」を使えているか、姿勢や声の大きさは適切かといった言葉遣い全体を通して、受験生が中学生としての礼儀と高校生活への準備ができているかを見ています。
言葉遣いが乱れていると、どれだけ内容の良い回答であっても「準備不足」「学校生活で先生や先輩との言葉遣いに不安がある」という印象を与えかねません。逆に言えば、正しい言葉遣いを身につけておくだけで、他の受験生と大きく差がつくアドバンテージになります。次の見出しから、具体的な話し方の基本とNGワードを順番に確認していきましょう。
実際に高校の面接評価シートでは、「話し方・言葉遣い」という項目が「態度」「意欲」「返答内容」と並んで独立した採点欄になっていることが多く、5段階評価やA〜Cといった段階評価で採点されるのが一般的です。同じ回答内容でも、丁寧な言葉遣いで話す受験生と、タメ口交じりで話す受験生とでは、面接官が受け取る印象に大きな差が生まれます。特に公立高校の集団面接では、複数の受験生を比較しながら評価するため、言葉遣いの丁寧さがそのまま相対的な評価差につながりやすい点にも注意が必要です。
面接の基本:「です・ます」調と一人称「わたし」への統一
面接の基本は、文末を「です・ます」で統一し、一人称は「わたし」に揃えることです。中学生の面接でまず直すべきなのがこの2点で、ここが崩れていると、以降どんなに丁寧な敬語を使っても全体の印象が台無しになってしまいます。
普段の生活では「ぼく」「自分」「俺」を一人称に使っている男子生徒も多いですが、面接の場では性別を問わず「わたし」に統一するのが基本マナーです。「わたくし」まで丁寧にする必要はなく、中学生であれば「わたし」で十分好印象を与えられます。文末についても、「〜だと思う」「〜だよね」のような普段の話し言葉ではなく、「〜だと思います」「〜です」と言い切る練習をしておきましょう。例えば「好きな教科は数学」と答える場合、「数学かな」ではなく「わたしが好きな教科は数学です」のように、主語・述語・敬語をセットで整えることがポイントです。質問に対して単語だけで答えるのではなく、一文としてきちんと「です・ます」で終える意識を持つと、自然と丁寧な印象になります。
- 「〜だよね」「〜と思う」→「〜だと思います」
- 「〜かな」→「〜です」「〜と考えています」
- 「ぼくは」「自分は」「俺は」→「わたしは」
- 「んー、えっと」→(言葉に詰まったら一呼吸置いてから話す)
- 「よくわかんない」→「まだ十分に理解できていない部分があります」
「です・ます」調に慣れるコツは、普段の会話でも意識して使ってみることです。家族との会話をすべて敬語にする必要はありませんが、朝の挨拶や質問への返事だけでも「です・ます」で話す練習を1週間ほど続けると、本番でも無理なく敬語が出てくるようになります。また、面接直前になって急に言葉遣いを変えようとすると、かえって不自然になりやすいため、遅くとも面接の1ヶ月前から少しずつ練習を始めるのがおすすめです。
正しい敬語の使い方|尊敬語・謙譲語の具体例と呼びかけ方
正しい敬語の基本は、面接官の行動には尊敬語を、自分自身の行動には謙譲語を使い分けることです。中学生にとって尊敬語と謙譲語の区別は難しく感じられますが、面接でよく使う動詞を7〜8個覚えておくだけで、受け答え全体が格段に丁寧な印象になります。以下の表で、普段使う言葉と面接で使うべき敬語表現を確認しておきましょう。
| 普段の言葉 | 尊敬語(面接官の動作) | 謙譲語(自分の動作) |
|---|---|---|
| 言う | おっしゃる | 申す・申し上げる |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| 聞く | お聞きになる | 伺う・拝聴する |
| する | なさる | いたす |
| 行く・来る | いらっしゃる・お越しになる | 伺う・参る |
| 知っている | ご存知だ | 存じております |
| 会う | お会いになる | お目にかかる |
面接官に対して「言う」を使う場合は「おっしゃる」、自分が「言う」場合は「申し上げる」と覚えれば混同しにくくなります。また、「〜させていただきます」を多用しすぎると不自然な二重敬語になりやすいため、「〜します」「〜いたします」で十分な場面では言い切ることも大切です。
敬語の練習をするときは、単語だけでなく実際の一文で覚えるのがおすすめです。例えば「先生が言ったことを聞きましたか」ではなく「先生がおっしゃったことを伺いましたか」、「学校を見学しました」ではなく「御校を拝見いたしました」のように、面接官の動作と自分の動作をセットで文章化しておくと、本番でも自然に使い分けられるようになります。最初は難しく感じても、志望動機や自己PRの回答をあらかじめ敬語で文章化しておき、声に出して覚えることで、当日は身体が覚えた言葉として自然に出てきます。
呼びかけ方についても押さえておきましょう。面接中に学校そのものを指す場合、話し言葉である面接では「御校(おんこう)」、志望理由書など書き言葉では「貴校(きこう)」を使うのが基本です。「そちらの高校」「この学校」といった表現は面接ではやや幼い印象を与えるため、「御校」に統一する練習をしておきましょう。面接官本人を「面接官さん」のように呼ぶ場面はほとんどなく、「はい」「わかりました」で応じつつ、文末は必ず「です・ます」で締めくくることを意識してください。
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中学生がやりがちなNGワードと正しい言い換え例
中学生の面接で特に多いNGワードは、タメ口・若者言葉・語尾を伸ばす話し方の3種類に大きく分けられます。普段の会話で無意識に使っている言葉ほど、緊張した本番でとっさに出てしまいやすいため、事前に「言い換え例」とセットで覚えておくことが重要です。
| NGワード | 言い換え例 |
|---|---|
| めっちゃ・すごく(口語) | とても・非常に |
| 〜っす・〜すよ | 〜です |
| 〜的な・〜みたいな | 〜のような・〜と思います |
| なんとなく | 漠然とですが・理由の一つとしては |
| やばい | 大変だ・驚いた(具体的な表現に置き換える) |
| ぶっちゃけ | 正直に申し上げますと |
| まじで・マジで | 本当に |
| 〜じゃないですか | (使わずに言い切る) |
| 語尾を伸ばす「〜ですぅ」「〜でぇ」 | 「〜です。」とはっきり区切って発音する |
特に「〜的な」「〜みたいな」は中学生の口癖として非常に多く、回答の内容がしっかりしていても幼稚な印象を与えてしまいます。また「なんとなく」「親に言われたから」といった主体性の感じられない言葉も、面接官にはマイナス評価につながりやすいNGワードです。話しながら語尾を意識するのは一人では難しいため、事前に保護者や塾の先生に模擬面接をしてもらい、その場で「今の言葉遣いはNGだよ」と指摘してもらう練習が効果的です。1日5分でも声に出して練習を繰り返すことで、1〜2週間程度で自然な敬語が身についてきます。
NGワードが出てしまう最大の原因は、頭の中で作った答えをそのまま口語で話してしまうことにあります。対策としては、まず回答をいったん「です・ます」調の文章として書き出し、そこにNGワードが混じっていないかチェックする方法が有効です。書き出した回答を声に出して読み、家族や友人に「今の言い方、変じゃなかった?」と聞いてもらうことで、自分では気づきにくい口癖を客観的に見つけることができます。学校の先生に頼んで、休み時間に数分だけ模擬面接をしてもらうのもよい練習になります。
緊張したときに使える定型フレーズ集
言葉に詰まったときは、無言のまま焦るより「少し考えさせてください」と一言添えるのが正解です。緊張のあまり頭が真っ白になるのは誰にでも起こることなので、その場をしのぐための定型フレーズをあらかじめ4〜5個覚えておくと安心です。
- 質問が聞き取れなかったとき:「恐れ入りますが、もう一度お願いできますでしょうか。」
- 考える時間が欲しいとき:「少し考えさせていただいてもよろしいでしょうか。」
- 言い間違えたとき:「失礼いたしました。〇〇です。」と落ち着いて言い直す
- うまく答えられなかったとき:「うまく言葉にできず申し訳ございません。」
- 入室するとき:「失礼いたします。」
- 退室するとき:「本日はありがとうございました。失礼いたします。」
これらのフレーズは丸暗記するのではなく、実際に声に出して練習しておくことで本番でも自然に口から出てきます。特に「少し考えさせてください」は、沈黙をごまかす便利な言葉ではなく、落ち着いて考える姿勢を示す前向きな一言として面接官にも好印象です。逆に無言で下を向いてしまう時間が長いと、準備不足という印象を与えてしまうため注意しましょう。焦って早口になるよりも、一呼吸置いてから「です・ます」調でゆっくり話すほうが、結果的に丁寧で落ち着いた受け答えに聞こえます。
定型フレーズは、面接の冒頭で使う「よろしくお願いいたします」や、退室時の「失礼いたします」と合わせて、3回以上声に出して練習しておくと本番でもスムーズに出てきます。特に中学生の面接では、フレーズの内容そのものよりも、落ち着いたトーンでゆっくり話せているかどうかが評価に大きく影響します。練習の際は、鏡の前や家族の前で実際に声に出し、早口になっていないかを確認する習慣をつけましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 面接で「ぼく」を使ってしまったらどうすればいいですか?
A. 一度使ってしまっても大きな減点にはなりにくいので、気づいた時点で「わたし」に言い直せば問題ありません。慌てて訂正するより、次の発言から自然に「わたし」を使い続けることを意識しましょう。
Q. 「貴校」と「御校」はどちらを使えばいいですか?
A. 話し言葉である面接では「御校」、志望理由書などの書き言葉では「貴校」を使うのが基本です。面接本番で「貴校」と口に出しても間違いではありませんが、「御校」のほうが自然な話し言葉として定着しています。
Q. 敬語が正しく使えているか自信がありません。どう練習すればいいですか?
A. 家族や塾の先生に模擬面接をしてもらい、間違えた敬語をその場で指摘してもらうのが最も効果的です。声に出して1日5分程度練習するだけでも、1〜2週間ほどで敬語が自然に口から出るようになります。
Q. 言葉に詰まってしまったら減点されますか?
A. 詰まること自体が大きな減点になることはほとんどありません。「少し考えさせてください」と落ち着いて伝えれば、むしろ誠実で丁寧な印象を与えられます。
Q. 敬語を意識しすぎて言葉が出てこなくなりそうです。どうすればいいですか?
A. 完璧な敬語よりも「です・ます」調を崩さないことを最優先にしましょう。表現が多少シンプルでも、丁寧な態度と一人称「わたし」がきちんとできていれば、十分に好印象を与えられます。
高校入試の面接で好印象を与える言葉遣いのポイントは、「です・ます」調と一人称「わたし」を徹底すること、尊敬語と謙譲語を正しく使い分けること、そしてタメ口や若者言葉といったNGワードを言い換え例に沿って修正することの3点に集約されます。完璧な敬語を目指すよりも、今日から声に出して練習を積み重ねることが何より大切です。家族や塾の先生と一緒に模擬面接を繰り返し、本番でも自然に丁寧な言葉遣いで受け答えできる状態を作っていきましょう。

